包茎とは

包茎とは、陰茎の亀頭部分が包皮に覆われており、勃起しても自然には完全に露出しない状態を指します。

包茎は締め付けや癒着などの症状によって、仮性包茎・真性包茎・カントン包茎に分類され、それぞれで手術の必要性が異なります。

手術の必要性とは、長期的な視点で身体への影響を考慮し、手術を実施すべきかを検討する度合いです。

包茎の種類手術の必要性状態
仮性包茎低い平常時は包皮に覆われているが、
包皮を剥くことができる
真性包茎高い平常時・勃起時ともに亀頭を露出できない
カントン包茎高い平常時のみ包皮を剥くことができるが、
締め付けや突っ張りなどの不快感がある

公益社団法人 東京都医師会によると日本人男性の約6〜7割は仮性包茎とされており、直接的な体への影響は見た目のみで、コンプレックスを強く感じる場合を除くと手術の必要性はありません。

ただし、真性包茎およびカントン包茎は衛生面の問題や、排尿・性行為への影響が生じる可能性があり、重症化などのリスクを考慮し、包茎手術が必要となる場合があります。

そのため真性包茎やカントン包茎に該当する場合は、早めに専門の医療機関に相談することが推奨されます。

性器に違和感や痛みなどの不快感を感じる場合は、放置せずに医療機関の受診を検討することが大切です。

参考:仮性包茎|厚生労働科学研究成果データベース
参考:知っていますか?男性のからだのこと、女性のからだのこと|厚生労働省

包茎手術の種類

包茎手術にはいくつかの方法があり、症状の程度や希望に応じた選択が必要です。

包茎手術は主に3種類に分類され、それぞれで手術方法やメリットなどが異なります。

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包茎手術の種類手術方法メリットデメリット特徴
環状切開術包皮を円状に切除し、縫合する・多くの医療機関で対応可能
・場合によっては保険適用
・傷跡が目立つ場合がある
・ツートンカラーになる場合がある
・多くのケースに対応可能
・包皮の余りが多い人にも適している
背面切開術包皮の上側背面を縦に切開し、縫合する・包皮口の狭さを解消しやすい
・緊急手術として実施できる
・見た目が気になることがある
・完全な包茎解消にならない場合がある
・包皮口が狭い場合に適用されることが多い
亀頭直下埋没法亀頭のすぐ下で包皮を切除し、縫合する・自然な仕上がりを期待できる
・ツートンカラーになりにくい
・クリニックによっては対応不可
・手術費用が高額な場合がある
・仕上がりを重視できる

環状切開術は仕上がりが医師の技術力に依存するため、術後の自然な見た目を重視する場合には不向きな場合があります。

背面切開術は重度のカントン包茎や真性包茎に適応しており、包皮を広げる方法を採用するため、ツートンカラーになりにくいことが特徴です。
ただし包皮への切り込みが比較的浅く、治療効果を高めるために環状切開術などの施術と組み合わせる場合があります。

亀頭直下埋没法は環状切開術の発展系で切開ラインを亀頭のすぐ下であり、傷跡になりにくく自然な仕上がりを重視することが可能です。
高度で繊細な施術が必要なことから、他の施術と比べると高額になる場合があります。

どの包茎手術があっているのかわからない場合には、医療機関で相談した際に不安や希望などを医師に伝えて、自分にあった包茎手術を提案してもらいましょう。

参考:包皮環状切除術についての説明同意書|つじ泌尿器科クリニック
参考:美容医療サービスにみる包茎手術の問題点|国民生活センター

包茎手術のメリットとデメリット

包茎手術で後悔しないためには、メリットとデメリットを確認し、総合的に判断することが大切です。

メリットには衛生面の向上や性行為の快適さ向上などですが、費用やダウンタイムがデメリットとして挙げられます。

メリットデメリット
・衛生面の向上
・見た目の改善
・性行為の快適さ向上
・排尿トラブルの改善
・費用がかかる
・術後のダウンタイムが必要

包茎手術によって通気性が改善されると、包皮炎亀頭炎性感染症のリスクが低減します。

特に真性包茎やカントン包茎の場合、蒸れやにおいによる不快感の軽減が期待できるでしょう。

また、仮性包茎で見た目の改善が目的の場合には、コンプレックスの解消により精神的な負担の解消を図ることも可能です。

しかし仮性包茎の場合は自由診療となるため、10万円以上の費用がかかることもあります。

傷口が完全に回復するまで性行為や過度な運動を避ける必要があり、術後の生活に制約があることに注意が必要です。

クリニックでの包茎手術の流れ

包茎手術の流れを表す図解

一般的なクリニックでの包茎手術の流れを紹介します。

➊事前予約

クリニックの公式サイトや電話で予約を取る

➋カウンセリング

ケースごとのリスクやメリット・デメリットの説明を受け、費用についての詳細を確認する

不安や疑問があれば、この時点で質問しておく

➌手術前の準備

手術に関する同意書や注意事項を確認し、サインをする

クリニックによっては、前日または当日に陰部を剃毛するよう指示がある

➍包茎手術を受ける

麻酔を行ったうえで包茎手術を受けるため、注射による麻酔を行う

クリニックによっては笑気麻酔を併用する場合もある

➎術後の説明

術後の注意事項や、日常生活で気を付けることを医師から説明される

痛み止めや抗生剤が処方されることが多い

➐手術後

手術後はそのまま歩いて帰宅可能だが、2~4週間程度は安静にする必要がある

手術自体は約30分~1時間程度で終わるものの、術後のケアが重要になります。

信頼できるクリニックを選び、不安を軽減して包茎手術を受けるようにしましょう。

参考:包茎手術を受けられる方へ(説明・同意書)|公益財団法人丹後中央病院

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